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説明の詳しさ
そもそもの話

市長の一週間は、公開されている。ただし2週間で消える

市長がふだん何をしているかは、米沢市のサイトに毎週出ています。行事名、時刻、場所、担当課まで。ただし載っているのは2週間ぶんだけで、過ぎた週は残りません。実際に見にいって、どこまで分かるのかを並べました。

2026年7月17日読むのに11分くらい数字は2026年7月17日時点

「市長がふだん何をしているのか分からない」。よく聞く言い方です。 わたしもそう思っていました。

ところが調べてみると、市長の予定表は毎週、米沢市のサイトに出ています。 行事の名前、始まる時刻、場所、そしてどの課の仕事で行くのかまで書いてあります。 知られていないだけで、隠されてはいませんでした。

ただし、ひとつ困ったことがあります。過ぎた週は残りません。この記事は、そこも含めて「見にいったら何が分かったか」の記録です。

1|来週の予定は、もう出ている

まず実物です。2026年8月22日に見にいった時点で、市のサイトに出ていた来週ぶんをそのまま並べます。

市長の主な出席行事予定(8月24日〜8月30日)

  1. 8月24日(月)午前9時

    定例庁議

    庁議室(政策企画課)

  2. 8月24日(月)午後1時

    定例記者会見

    庁議室(秘書広報課)

  3. 8月24日(月)午後6時

    米沢食肉公社による県議への事業報告会

    登起波分店(農業振興課)

  4. 8月26日(水)午前10時

    山形大学顧問会議

    山形大学法人本部(地域振興課)/午前は山形市へ出張、午後戻り

  5. 8月26日(水)午後4時30分

    スポーツ推進審議会 委員委嘱状交付式

    置賜総合文化センター(スポーツ課)

  6. 8月27日(木)午後5時

    米沢イノベーション・ミートアップ

    庁議室(商工課)

  7. 8月27日(木)午後6時

    電気関係学会東北支部連合大会 懇親会

    ロイヤルパインズホテル米沢(商工課)

  8. 8月28日(金)午後4時

    企業版ふるさと納税の寄附への感謝状贈呈式

    応接室(観光課)

  9. 8月29日(土)午後12時50分

    よねざわ環境×防災フェス トークショー

    置賜総合文化センター(環境課)

  10. 8月29日(土)午後3時

    南原地区 市長を囲む座談会

    南原コミュニティセンター(秘書広報課)

  11. 8月30日(日)午後1時30分

    鷹山公シンポジウム

    伝国の杜(観光課)

市長ぶんは11件。8月25日には予定が入っていません。土曜と日曜にも3件あります。副市長の予定も同じページに別枠で出ています。出典:米沢市「市長・副市長の主な出席行事予定」(2026年8月21日更新)

地味に効いているのが、行事ごとにかっこ書きされた担当課です。 同じ「行事に出る」でも、商工課の仕事で行くのか、観光課の仕事で行くのかで意味が変わります。 市がその行事を何の一部だと考えているかが、ここに出ています。

出張の行き帰りも書いてあります。8月26日には「午前 山形市へ出張」「午後 戻り」と入っていて、 山形大学の会議に出て、その日のうちに米沢へ戻る日程だと読めます。

2|ただし、過ぎた週は残らない

ここが今回いちばん引っかかったところです。

8月22日に見た時点で、市のサイトに出ていた週間予定は2ページだけでした。 1枚が「8月17日〜23日」、もう1枚が「8月24日〜30日」。 つまり今週と来週のぶんしか載っていません。 しかも、この2枚は同じアドレスが使い回されていて、新しい週になると上書きされます。

なので「先月、市長はどこへ行っていたのか」を、あとから市のサイトで確かめることはできません。 見たいときに見て、控えておくしかない、ということになります。

3|2週間ぶんを並べると、仕事が4つに分かれて見える

2週間ぶん(8月17日〜30日)を並べてみると、市長の予定はだいたい4種類に分かれました。

市長の予定を、中身で分けてみる

  • 庁内で決める

    定例庁議と定例記者会見。どちらも月曜日に固まっています。

    庁議は部長級が集まる会議。記者会見はそのあとの午後1時から

  • 市民と会う

    地区ごとの「市長を囲む座談会」。2週間で山上・三沢・南原の3地区を回っています。

    担当はすべて秘書広報課

  • 外へ出ていく

    国の出先機関や県の会議、大学へ出向くもの。仙台や山形市への出張になります。

    この記事の4章で、もう少し詳しく見ます

  • まちの行事に出る

    祭り、シンポジウム、贈呈式、懇親会。土日にも入ります。

    8月29日・30日はこれで3件

2週間ぶん(市長の予定18件)を、こちらで分類したものです。市がこう分けているわけではありません。出典:米沢市「市長・副市長の主な出席行事予定」(2026年8月14日更新分・8月21日更新分)

並べてみて意外だったのは、土日にも予定が入っていることでした。 8月29日(土)と30日(日)だけで3件あります。 逆に、平日の8月25日(月)は予定が入っていません。

4|「外から取ってくる」は、予定表に出ている

米沢市のお金の話をすると、必ず出てくる言い方があります。 「お金がないなら、外から取ってくればいいのに」というものです。お金の記事でも触れました。

では実際に、外へ取りにいく動きはあるのか。2週間ぶんの予定表の中に、それらしいものが4件ありました。

外とつなぐ予定(2週間ぶんから)

  • 米沢市建設事業要望会

    東北地方整備局(仙台市)へ、市長が出向きます。

    8月20日(木)/土木課

  • 山形大学顧問会議

    山形大学法人本部(山形市)。工学部を抱えるまちとしての付き合いです。

    8月26日(水)/地域振興課

  • 米沢イノベーション・ミートアップ

    市役所の庁議室で開かれます。7月に始まったばかりの取り組みです。

    8月27日(木)/商工課

  • 企業版ふるさと納税の感謝状贈呈式

    市の外から入ってきた寄附に対して、市役所の応接室で贈呈します。

    8月28日(金)/観光課

いずれも市の週間予定表に載っていたものです。「要望会」は、国や県に対して事業の必要性を説明して、予算をつけてほしいと申し入れる場のことです。出典:米沢市「市長・副市長の主な出席行事予定」(2026年8月14日更新分・8月21日更新分)

いちばん分かりやすいのが8月20日です。市長が仙台まで出向いて、国の出先機関に道路や河川の事業をお願いしにいく。 これがまさに「外から取ってくる」動きです。担当課は土木課でした。

8月28日の企業版ふるさと納税も、市の外から入ってきたお金です。 こちらはお金の記事で扱った、個人のふるさと納税とは別のしくみになります。

5|地区を順に回る「座談会」がある

4種類のうち、いちばん自分に関係があるのがこれでした。「◯◯地区 市長を囲む座談会」という予定が、2週間で3回入っています。

2週間のあいだに開かれた座談会

日地区時刻会場
8/19 水山上地区午後6時30分山上コミュニティセンター
8/23 日三沢地区午後3時三沢コミュニティセンター
8/29 土南原地区午後3時南原コミュニティセンター
いずれも担当は秘書広報課。地区のコミュニティセンターが会場になっています。出典:米沢市「市長・副市長の主な出席行事予定」(2026年8月14日更新分・8月21日更新分)

2週間で3地区。この調子だと、順番にまちじゅうを回っているように見えます。 あとで出てくる交際費の記録にも、7月に「愛宕地区市長を囲む座談会 会費 3,000円」という支出があるので、 少なくとも7月から8月にかけて続いていることは確かめられます。

6|使ったお金も、1件ずつ出ている

市長が交際費として使ったお金は、1件ずつ、日付と中身と金額つきで公開されています。 月ごとにまとまっていて、令和5年度からの4年ぶんが残っています。

いちばん新しい月をそのまま載せます。多い少ないの判断はしません。12件、全部並べます。

市長交際費 令和8年7月(12件・81,831円)

日支出内容金額
7/3米沢市社会福祉法人連絡協議会定期総会 懇親会費6,000円
7/6愛宕地区市長を囲む座談会 会費3,000円
7/106/20山形新聞掲載「県議座談会」名刺広告11,000円
7/10市長名刺印刷代(300枚)10,650円
7/15国民平和大行進、原水禁世界大会協賛募金5,000円
7/18米沢市民の集い 懇親会費5,000円
7/21米沢市農業委員会感謝状贈呈式・合同懇親会費6,000円
7/22米沢復古會、夏の集い 会費5,000円
7/247/16山形大学医学部小児科訪問の折、土産代2,100円
7/24市長室見学者への記念品代(児童用)19,800円
7/24市長室見学者への記念品(児童用) 包装紙代1,281円
7/25第108回置賜医会 懇親会費5,000円
市が公開している一覧をそのまま並べたものです。抜き出したり、まとめたりはしていません。出典:米沢市「市長交際費 令和8年7月」(2026年8月10日更新)

名刺の印刷代も、お土産代も、包装紙代1,281円まで出ています。 1年ぶんをまとめると、こうなります。

市長交際費:令和7年度(2025年4月〜2026年3月)の1年ぶん

件数
202件
合計
160.0万円
1件あたり
約7,900円
12か月ぶんを合計したものです。いちばん多いのは11月の286,150円、件数がいちばん多いのは1月の40件でした。出典:米沢市「市長交際費(令和7年度)」の月別ページを合計

7|市民が出した意見と、市の回答も、全文出ている

今回いちばん驚いたのがこれでした。「市長への手紙」という窓口があって、 そこに届いた意見と、市の回答が、どちらも全文そのまま公開されています。

番号がついていて、受け付けた日付も、答えた担当課の名前も入っています。 令和5年度からの4年ぶんが残っていて、令和7年度は68件ありました。

実際にどんなやりとりなのか(1件そのまま)令和8年度の2件目。「補助金を出して終わりにせず、効果を検証する制度をつくってほしい」という意見です。

市のページには、意見の本文がそのまま載っています。要旨はこうです。

どの補助金についても、使われた結果どのような効果をもたらしたかを検証する制度を作ってほしい。 補助金を出せば終わりではなく。

これに対して、担当課の名前を明記したうえで市の回答が続きます。 意見のほうも回答のほうも、要約ではなく全文が載っています。

令和8年度は、2026年6月4日の更新時点で6件が公開されていました。 「障がいのある子どもたちの支援体制について」「自転車の交通反則通告制度にともなう標識設置」 「指定ごみ袋以外の使用について」「町内の公園遊具の継続設置」「市内道路の車線及び空き家」など、 かなり具体的な相談が並んでいます。

8|まとめ:市長を追える窓口は6つ

今回まわった窓口を、一覧にします。いちばん右の「あとから残るか」を見てください。

市長の動きが分かる、6つの窓口

窓口何が分かるかあとから残るか
週間行事予定行事名・時刻・場所・担当課残らない(2週間ぶん)
定例記者会見市がいま発表したいこと残る(月1〜2回)
市長交際費誰と会って、いくら使ったか残る(令和5年度から)
市長への手紙市民の意見と、市の回答残る(令和5年度から)
市長のことば式辞・訓示の全文残る(20件)
市政運営方針その年度に何をやるか残る(年1回)
すべて米沢市の公式サイトにあります。2026年8月22日時点で見えていた範囲での目安です。出典:米沢市公式サイト(市長室・秘書広報課)

記者会見は、2026年に入ってから8月20日までに15回開かれていました(うち1回は臨時)。 だいたい月に1〜2回のペースです。

こうして並べると、市長の動きは、思っていたよりずっと細かく公開されていることが分かります。 分かりにくいのは、公開されていないからではなく、入口が6か所に分かれていて、そこに入口があると知られていないからでした。

9|ここからできること

ここからできること

この記事で見にいった窓口は、全部そのまま誰でも開けます。手間の軽いものから並べました。

この記事が見たもの出典 7 件。ここに書いた事実は、すべてこの資料から取っています
  1. 1.米沢市「市長・副市長の主な出席行事予定(8月24日〜8月30日)」2026年8月21日更新。1章と3〜5章の予定はここから。新しい週になると上書きされます。
  2. 2.米沢市「市長・副市長の主な出席行事予定(8月17日〜8月23日)」2026年8月14日更新。要望会と座談会はここから。こちらも上書きされます。
  3. 3.米沢市「市長記者会見」回ごとの一覧。2026年に入って8月20日までに15回(うち臨時1回)。
  4. 4.米沢市「市長交際費 令和8年7月(12件81,831円)」6章の12件は、この一覧をそのまま並べたものです。
  5. 5.米沢市「市長交際費(令和7年度)」月別ページに件数と金額が出ています。202件・1,600,290円は、この12か月ぶんを合計したものです。
  6. 6.米沢市「市長への手紙」年度別のご意見・ご提案と市の回答。令和7年度は68件。令和8年度は2026年6月4日更新時点で6件。
  7. 7.米沢市「市長室」6つの窓口の入口。市政運営方針・市長のことばもここから。

リンク先は米沢市など、それぞれの発行元の公式ページです。 このノートの書き方に納得がいかないときほど、こちらを直接見てみてください。

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