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数字で見る米沢

米沢市のお金、465億円はどこから来て、どこへ行くのか

市民ひとりあたりに直すと約64万円。そのうち市税でまかなえているのは4分の1だけでした。まちのお金の全体像を、いちどぜんぶ図にしてみます。

2026年8月21日読むのに10分くらい数字は2026年8月21日時点

令和8年度の米沢市の一般会計予算は、465億9,000万円です。

……と言われても、たぶん何も分かりませんよね。僕も分かりませんでした。 なので、どこから来て、どこへ行くのかを順番に見ていきます。

1|まず、ひとりあたりに直してみる

465億円を、市民の人数で割ると

一般会計(令和8年度当初)
465.9億円
米沢市の人口
72,721
ひとりあたり
約64万円
人口は令和8年5月1日の住民基本台帳。1年間に、市民ひとりあたり約64万円が動いている計算になります。出典:米沢市 令和8年度当初予算/米沢市の統計

4人家族なら、年間250万円ぶん。それだけのお金が、自分の名前では動いていないけれど、 自分のまわりで使われているということになります。

2|お金はどこから来るのか

ここがいちばん驚いたところでした。 「市のお金=市民が払った市税」だと思っていたのですが、まったく違います。

お金の入り口(令和6年度当初予算・約440億円)

  • 市税105億円
  • 地方交付税77億円
  • 国庫支出金68億円
  • 繰入金(貯金)38億円
  • 県支出金34億円
  • 市債(借金)27億円
  • 諸収入25億円
  • 地方消費税交付金21億円
  • 寄附金(ふるさと納税)20億円
  • その他24億円
市税は全体の約24%。残りは国や県からのお金、貯金の取り崩し、借金でまかなわれています。出典:米沢市 令和6年度当初予算

ふるさと納税がよく話題になるのも、これが理由です。市が自由に使えるお金を増やせる、数少ない手段だからです。 国からの交付金は使いみちが決められていることが多く、市の実情に合わないこともある—— 市長も議会でそう説明していました。

3|見えているのは、一部分だけ

ここも大事なところです。465億円は「一般会計」だけの数字です。 市のお金には、これとは別の財布があります。

一般会計の外側にある「もうひとつの財布」

会計年間の歳出(令和5年度)何のお金か
介護保険事業約87.6億円介護サービスの給付
国民健康保険事業約76.4億円自営業者などの医療費
後期高齢者医療約10.2億円75歳以上の医療(県単位の広域連合へ)
国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険は、別の会計で運営されています。この3つだけで年間約174億円。出典:米沢市 令和5年度決算(特別会計 歳出)

高齢化が進むと、この3つは自然に増えていきます。 そして足りないぶんは、一般会計から補われることがあります。465億円だけを見ていると、この動きが見えません

4|いま、財政はどういう状態か

市議会では、財政についてこういうやりとりがありました。数字はすべて会議録に残っています。

市議会で語られた、財政の現状

言われていること中身
経常収支比率 97〜99%決まった収入のうち、決まった支出でほぼ埋まっている状態。自由に使える余地が少ない
実質単年度収支が令和13年度まで赤字見込み8年連続。貯金の取り崩しを前提にした構造が続く
財政健全化計画のとき、財政調整基金は約13億円まで減った3年連続の赤字が続いたあとの水準
令和6年度も7.1億円の赤字市の答弁より
いずれも令和8年3月定例会での質疑・討論・答弁から。出典:米沢市議会 令和8年3月定例会 会議録

5|だから、あの議論になった

ここまで見てくると、2026年に揉めた統合中学校の開校延期の話が、なぜあんなに難しかったのかが分かってきます。

自由に使えるお金がほとんどなく、赤字が続く見込みで、貯金を取り崩している。 そこに「体育館のエアコン」と「新しい中学校」という、どちらも必要なものが同時に来た。

市は「同時には無理」と判断し、議会は「決めた順番を守れ」と返した。お金の全体像を知っていると、あの対立の見え方が変わります

6|自分で見にいくなら

米沢市は、予算の資料を公式サイトで公開しています。 いちばん読みやすいのは「当初予算の重点事業等説明書」で、 その年に何にいくら使うのかが、事業ごとに書いてあります。

全部読む必要はありません。気になる分野——学校、除雪、観光、子育て——のところだけ開いてみると、 「あ、これにこの金額が付いているんだ」というのが見えてきます。

この記事が見たもの出典 5 件。ここに書いた事実は、すべてこの資料から取っています
  1. 1.米沢市 令和8年度当初予算総額465億9,000万円。議会での可決は令和8年3月24日。
  2. 2.米沢市 令和7年度当初予算 重点事業等説明書事業ごとの金額はこの形式で公開されています。
  3. 3.米沢市の統計人口と、財政の時系列。
  4. 4.米沢市議会 令和8年3月定例会 会議録経常収支比率、実質単年度収支の見込み、財政調整基金の水準についての質疑と答弁。
  5. 5.総務省 地方財政状況調査(決算カード)自治体ごとの財政指標を横に比べたいときはここ。

リンク先は米沢市など、それぞれの発行元の公式ページです。 このノートの書き方に納得がいかないときほど、こちらを直接見てみてください。

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