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議会をのぞく

令和8年3月の定例会で、11人の議員が市に聞いたこと

8日間、11人、81往復、8万7千字。ぜんぶ公開されているのに、この量では誰も読まないですよね。緊急避妊薬から浄水場の水、学園都市の成果まで、要点だけ並べ直しました。

2026年8月21日読むのに10分くらい数字は2026年8月21日時点

前回、3年ぶんの議案594件のうち意見が分かれたのは28件だけという話を書きました。そのとき「9月と3月にお金の議案が集まる」ということも分かったので、 じゃあいちばん新しい3月の会期を、まるごと読んでみようと思いました。

令和8年3月定例会。会議録のPDFが8日ぶん、米沢市の公式サイトに公開されています。 中身を全部拾って整理してみると、思っていたより、ずっと具体的な話をしていました

令和8年3月定例会は、こういう規模でした

一般質問に立った議員
11
24人中
問いと答えの往復
81
会議録の発言量
87,439
一般質問だけで
「往復」は、議員が問い、市が答える、そのひとかたまりを1回と数えたものです。出典:米沢市議会 公式 会議録(令和8年3月定例会)

まず、会期の流れ

「定例会」というのは、決まった時期にひらかれる議会のことです。米沢市議会は3月・6月・9月・12月の年4回。 この3月の会期は2月24日にはじまり、3月24日に終わりました。ひと月ちかくあります。

ただ、毎日ずっと議論しているわけではありません。8日間だけ本会議が開かれて、 あいだの日は委員会で細かく審査しています。

ひと月のあいだに、何をしていたのか

  1. 2月24日

    開会

    市長が議案を提出し、会期を決める

  2. 2月26日・27日・3月2日

    一般質問

    11人が登壇。ここが一番の見どころ

  3. 3月3日・10日・19日

    委員会での審査

    本会議は短時間。中身は委員会で詰める

  4. 3月24日

    最終日・採決

    予算などを議決して閉会

2月26日〜3月2日の3日間に、一般質問が集中しています。傍聴やライブ中継を見るなら、ここが本番です。出典:米沢市議会 公式 会議録(議事日程第1号〜第8号)

11人が、何を聞いたか

一般質問というのは、議員が市に対して「これはどうなっていますか」「こうしてはどうですか」と問う時間です。 市長や部長が、その場で答えます。議会の中でいちばん、ふつうの言葉に近い場面だと思いました。

今回の11人と、それぞれの主題はこうでした。

令和8年3月定例会・一般質問の一覧

議員会派主題往復
山田 富佐子公明党緊急避妊薬の市販化における市の役割について6
佐野 洋平一新会財政健全化計画の実施時と現在の財政状況の比較について13
遠藤 隆一ミライノトビラ福岡県朝倉市との官民交流及び姉妹都市提携について6
関谷 幸子一新会ジビエ料理で米沢を元気に5
我妻 徳雄市民平和クラブプラスチックごみ・ペットボトルの回収量と排出量の推移について10
鳥海 隆太一新会浄水場の切替えで生じた住民被害への補償の負担について8
髙橋 千夏一新会除雪事業者の事務負担と、費用対効果の検証について10
影澤 政夫市民平和クラブ地域間サービス差の生活者視点での見直しについて8
工藤 正雄一新会まちづくり総合計画に載せた学園都市の施策の成果はどうだったか7
齋藤 千惠子一新会今般の衆議院選挙に対する市長発言について4
高橋 壽日本共産党市議団子どもの権利条約とこども基本法は市政と学校運営に生かされているか4
登壇順。会派は令和7年5月時点の所属です。往復数が多いほど、その場でのやり取りが長かったことを示します。出典:米沢市議会 公式 会議録(令和8年3月定例会)

並べてみて、いくつか気づいたことがあります。

ひとつめ。話題がぜんぜん重なっていない

11人が11通りのことを聞いています。ごみの分別、除雪の事務負担、公共交通、姉妹都市、ジビエ、学園都市、こどもの権利。 誰かが決めたテーマに沿って全員が質問する、みたいなことは起きていませんでした。

これは前回の記事で書いた二元代表制の話とつながっている気がします。「党の方針で足並みをそろえる」構図がないので、 それぞれが自分の見ている地域の困りごとを持ってくる。そういう形になっているように見えました。

ふたつめ。「暮らしの困りごと」がそのまま入ってくる

たとえば鳥海議員は浄水場の切替えで住民に出た被害の補償について、8往復かけて聞いています。 髙橋千夏議員は除雪事業者の事務負担。影澤議員は地域によるサービスの差

国のニュースで見る政治とは、話の粒がぜんぜん違いました。もっと近い。 「うちの前の道」とか「うちの町内会」の話が、そのまま議場に持ち込まれています。

みっつめ。長さがけっこう違う

往復数を見ると、13回の人もいれば4回の人もいます。 これは持ち時間そのものではなくて、「その場でどれだけ追加のやり取りが起きたか」の目安です。

佐野議員の13往復は、財政の数字を一つずつ確認していく形でした。 「健全化計画をつくったときと今で、財政はどう変わったのか」「ふるさと納税は目標に届くのか」—— こういう質問は、答えを聞いてまた聞き返す、というやり取りになりやすいのだと思います。

最終日に、意見が分かれたもの

3月24日の最終日、議案の採決がありました。この会期で全会一致にならなかったのは、5件です。

令和8年3月定例会で、意見が分かれた5件

議案内容結果賛成/反対
議第41号令和8年度 一般会計予算(465億9,000万円)可決16/7
議第27号令和8年度 後期高齢者医療費特別会計予算可決17/6
発議第2号自衛隊員の処遇改善等に関する意見書の提出について可決起立多数
発議第3号皇位継承に関する国会論議の促進を求める意見書の提出について可決起立多数
発議第4号市立東成中学校の開校延期方針に関する決議可決起立多数
「起立多数」は、賛成の人に起立してもらって数える採決の方法です。人数が公表されているのは、議員別賛否表がある2件です。出典:米沢市議会 公式 会議録・議員別賛否一覧(令和8年3月定例会)

いちばん大きいのは来年度の予算です。465億9,000万円。 24人のうち7人が反対しましたが、可決されました。

「発議」というのは、市長ではなく議員が出す議案です。この会期は3件ありました。 そのうち発議第2号と第3号は、国に対して意見書を出すもの。市の予算とは直接関係しませんが、 議会としての意思表示になります。

発議第4号の「市立東成中学校の開校延期方針に関する決議」は、 市内の学校再編にかかわる話でした。地域の暮らしに直結する議案が、議員側から出て、可決されている。 議会が市長の提案を待つだけの場所ではない、ということが、この1件によく表れていました。

読んでみて思ったこと

次の会期は6月です。また同じように並べ直します。

この記事が見たもの出典 3 件。ここに書いた事実は、すべてこの資料から取っています
  1. 1.米沢市議会 令和8年3月定例会 会議録議事日程第1号〜第8号のPDF。一般質問の発言はすべてここに載っています。
  2. 2.米沢市議会 一般質問通告要旨(令和8年3月定例会)誰が何を聞く予定だったか、という一覧。会期の前に公開されます。
  3. 3.米沢市議会 議案・議決結果採決の結果と、議員別賛否一覧のPDF。

リンク先は米沢市など、それぞれの発行元の公式ページです。 このノートの書き方に納得がいかないときほど、こちらを直接見てみてください。

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