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説明の詳しさ
数字で見る米沢

ふるさと納税「3倍の50億円」は、いまどうなっているか

市長の公約は50億円。直近の実績は14億9,453万円で、達成率は約30%です。ただ、寄附の件数は過去最多でした。減っているのは金額ではなく、1件あたりの単価のほうです。

2026年6月12日読むのに9分くらい数字は2026年6月12日時点

令和5年11月の市長選で、いまの市長はこう掲げていました。

トップセールスと発信力の強化で『米沢産品』を売り込み、ふるさと納税額3倍の50億円を目指します

3つの柱・20の具体策のうち、数字が入っている数少ない公約のひとつです。 数字が入っているということは、確かめられるということでもあります。やってみました。

いまの実績

直近(令和6年度)の受入額

受入額
14.95億円
公約の約30%
全国順位
202位
寄附の件数
48,786件
過去最多
全国1,700余りの自治体のなかで202位。件数のほうは過去最多です。出典:総務省 ふるさと納税に関する現況調査/受入額ランキング

金額だけを見ると「まったく届いていない」という話になります。それは事実です。 ただ、件数は過去いちばん多い。 つまり、米沢を選ぶ人が減っているわけではありません。

11年ぶん、並べてみる

米沢市のふるさと納税・受入額の推移

  • 2014年45百万円
  • 2016年3,531百万円
  • 2018年556百万円
  • 2021年1,825百万円
  • 2024年1,495百万円
2016年が突出しています。翌々年に急落しているのは、返礼割合を3割までとする国の規制が入ったためです。出典:総務省 ふるさと納税に関する現況調査/ふるさとチョイス

何があった年か

  1. 2014年

    0.45億円(3,984件)

    まだほとんど動いていない

  2. 2016年

    35.3億円(35,574件)

    過去最高

  3. 2018年

    5.6億円(16,643件)

    返礼割合3割の規制を受けて急落

  4. 2021年

    18.2億円(42,722件)

    件数はここから4万件台へ

  5. 2024年

    14.95億円(48,786件)

    件数は最多。3期連続の減少

制度そのものが何度も変わっているので、「去年より減った」だけでは中身が分かりません。出典:総務省 ふるさと納税ポータル/米沢市の受入額データ

減っているのは、単価

2021年と2024年を比べると、件数は42,722件から48,786件に増えています。 それなのに金額は18.2億円から14.95億円へ、18.1%減りました。割り算をすると理由が出ます。

1件あたりの寄附額

2021年
4.27万円
2024年
3.06万円
3年間の受入額の変化
−18.1%
3年で1万2千円ほど下がりました。件数を増やしても、この下がり方だと金額は伸びません。出典:受入額と件数から計算(総務省 現況調査)

よそのまちと比べると

山形県内の受入額(令和6年度)

まち受入額全国順位
山形市47.17億円40位
天童市40.51億円53位
寒河江市36.86億円61位
米沢市14.95億円202位
上位に入るまちは果物や家電を扱っているところが多く、米沢は米が中心です。返礼品の構成は、そのまちの産業の形から来ます。出典:ふるさと納税受入額ランキング(山形県)

米沢の人気の返礼品は、雪若丸やはえぬきといった米が上位に並びます。農業産出額を見ても、米沢でいちばん大きいのは米でした。産品の性格が違うぶん、金額の出方も変わります。

予算には、いくら見込んでいるのか

ここが、いちばん暮らしに近いところです。ふるさと納税は「入ったら嬉しいお金」ではなく、最初から予算に組み込まれています。

当初予算の見込みと、実績の差

令和6年度・当初予算の見込み
20.2億円
直近の実績
14.95億円
差
−5.2億円
足りないぶんは、基金の取り崩し・市債の発行・事業の見直しのいずれかで埋めることになります。出典:米沢市の統計 2024(一般会計の歳入)

寄附した人の半数以上は使いみちを指定します。米沢の場合、子育て・教育、学園都市への支援、 歴史文化の継承、健康長寿・医療福祉などに振り分けられています。 見込みどおりに集まらなければ、そこに当てるお金をどこかから持ってくることになります。

そもそも制度がおかしい、という論点

令和8年9月定例会では、受入額を増やす話とは別の角度の通告が出ています。 「ふるさと応援寄附金の功罪について」。地元の生産者に寄与する面がある一方で、 財源が地方税であるため自治体どうしが税を奪い合う形になっているのではないか、 国税を主体とすべきだと市から声を上げてはどうか、という中身です。

「もっと集めろ」と「制度を変えろ」は、矛盾しません。同じ会期に両方出ているのは、そのためだと思います。

この記事が見たもの出典 4 件。ここに書いた事実は、すべてこの資料から取っています
  1. 1.近藤洋介 公式サイト(3つの柱・具体策)「ふるさと納税額3倍の50億円」の文言。
  2. 2.ふるさと納税受入額ランキング(山形県)令和6年度の受入額・件数・全国順位、県内他市との比較。
  3. 3.米沢市の統計 2024一般会計の歳入。寄附金の当初予算額。
  4. 4.米沢市議会 令和8年9月定例会 一般質問要旨(PDF)「ふるさと応援寄附金の功罪について」の通告。

リンク先は米沢市など、それぞれの発行元の公式ページです。 このノートの書き方に納得がいかないときほど、こちらを直接見てみてください。

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