ふるさと納税「3倍の50億円」は、いまどうなっているか
市長の公約は50億円。直近の実績は14億9,453万円で、達成率は約30%です。ただ、寄附の件数は過去最多でした。減っているのは金額ではなく、1件あたりの単価のほうです。
令和5年11月の市長選で、いまの市長はこう掲げていました。
トップセールスと発信力の強化で『米沢産品』を売り込み、ふるさと納税額3倍の50億円を目指します
3つの柱・20の具体策のうち、数字が入っている数少ない公約のひとつです。 数字が入っているということは、確かめられるということでもあります。やってみました。
いまの実績
直近(令和6年度)の受入額
- 受入額
- 14.95億円
- 公約の約30%
- 全国順位
- 202位
- 寄附の件数
- 48,786件
- 過去最多
金額だけを見ると「まったく届いていない」という話になります。それは事実です。 ただ、件数は過去いちばん多い。 つまり、米沢を選ぶ人が減っているわけではありません。
11年ぶん、並べてみる
米沢市のふるさと納税・受入額の推移
- 2014年45百万円
- 2016年3,531百万円
- 2018年556百万円
- 2021年1,825百万円
- 2024年1,495百万円
何があった年か
2014年
0.45億円(3,984件)
まだほとんど動いていない
2016年
35.3億円(35,574件)
過去最高
2018年
5.6億円(16,643件)
返礼割合3割の規制を受けて急落
2021年
18.2億円(42,722件)
件数はここから4万件台へ
2024年
14.95億円(48,786件)
件数は最多。3期連続の減少
減っているのは、単価
2021年と2024年を比べると、件数は42,722件から48,786件に増えています。 それなのに金額は18.2億円から14.95億円へ、18.1%減りました。割り算をすると理由が出ます。
1件あたりの寄附額
- 2021年
- 4.27万円
- 2024年
- 3.06万円
- 3年間の受入額の変化
- −18.1%
よそのまちと比べると
山形県内の受入額(令和6年度)
| まち | 受入額 | 全国順位 |
|---|---|---|
| 山形市 | 47.17億円 | 40位 |
| 天童市 | 40.51億円 | 53位 |
| 寒河江市 | 36.86億円 | 61位 |
| 米沢市 | 14.95億円 | 202位 |
米沢の人気の返礼品は、雪若丸やはえぬきといった米が上位に並びます。農業産出額を見ても、米沢でいちばん大きいのは米でした。産品の性格が違うぶん、金額の出方も変わります。
予算には、いくら見込んでいるのか
ここが、いちばん暮らしに近いところです。ふるさと納税は「入ったら嬉しいお金」ではなく、最初から予算に組み込まれています。
当初予算の見込みと、実績の差
- 令和6年度・当初予算の見込み
- 20.2億円
- 直近の実績
- 14.95億円
- 差
- −5.2億円
寄附した人の半数以上は使いみちを指定します。米沢の場合、子育て・教育、学園都市への支援、 歴史文化の継承、健康長寿・医療福祉などに振り分けられています。 見込みどおりに集まらなければ、そこに当てるお金をどこかから持ってくることになります。
そもそも制度がおかしい、という論点
令和8年9月定例会では、受入額を増やす話とは別の角度の通告が出ています。 「ふるさと応援寄附金の功罪について」。地元の生産者に寄与する面がある一方で、 財源が地方税であるため自治体どうしが税を奪い合う形になっているのではないか、 国税を主体とすべきだと市から声を上げてはどうか、という中身です。
「もっと集めろ」と「制度を変えろ」は、矛盾しません。同じ会期に両方出ているのは、そのためだと思います。
この記事が見たもの出典 4 件。ここに書いた事実は、すべてこの資料から取っています
- 1.近藤洋介 公式サイト(3つの柱・具体策)「ふるさと納税額3倍の50億円」の文言。
- 2.ふるさと納税受入額ランキング(山形県)令和6年度の受入額・件数・全国順位、県内他市との比較。
- 3.米沢市の統計 2024一般会計の歳入。寄附金の当初予算額。
- 4.米沢市議会 令和8年9月定例会 一般質問要旨(PDF)「ふるさと応援寄附金の功罪について」の通告。
リンク先は米沢市など、それぞれの発行元の公式ページです。 このノートの書き方に納得がいかないときほど、こちらを直接見てみてください。
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