9万5千人だったまちが、いま7万2千人
米沢の人口はピークから2万3千人減りました。ただ「若い人が出ていくから」という説明は、数字で見ると半分だけです。減っているいちばん大きな理由は、別のところにあります。
米沢市の人口は、令和8年5月1日の住民基本台帳で72,721人です。 いちばん多かったのは平成7年(1995年)の95,592人なので、30年で2万3千人ほど減りました。 中学校ひとつぶんが毎年消えていく、という言い方がされることもあります。
ただ、その「減り方」の中身を見たことがある人は、たぶん少ないと思います。 調べてみたら、思っていたのと理由がちがいました。
まず、40年ぶんを並べてみる
米沢市の人口と、高齢化率
| 年 | 人口 | 65歳以上の割合 |
|---|---|---|
| 1980年 | 92,823人 | 10.9% |
| 1995年 | 95,592人 | 18.5% |
| 2010年 | 89,401人 | 25.8% |
| 2020年 | 81,252人 | 31.4% |
| 2026年 | 72,721人 | — |
減り方には、2種類ある
人口の増減は、2つの足し引きでできています。生まれた人と亡くなった人の差(自然動態)と、入ってきた人と出ていった人の差(社会動態)です。
「若い人が出ていくから減る」というのは、後者の話です。では実際、どちらが大きいのか。
生まれた人と、亡くなった人
- 出生数(令和4年)
- 420人
- 10年前は608人
- 死亡数(令和4年)
- 1,277人
- 差し引き
- −857人
- 1年で
自然動態だけで、年に857人減っています。一方、転入と転出の差は年に300〜500人ほどです(令和2年は転入2,169人・転出2,437人で、差は268人)。
つまり出ていく人を全部止めても、減少は半分も止まりません。 「若い人が出ていくから」は、まちがってはいませんが、いちばん大きい理由ではありませんでした。
それでも、20代は出ていっている
とはいえ社会動態を無視していいという話ではありません。年齢ごとに見ると、はっきりした形が出ます。
2024年の転入・転出(年齢別の差し引き)
| 年齢 | 転入 | 転出 | 差し引き |
|---|---|---|---|
| 0〜9歳 | 75人 | 94人 | −19人 |
| 10〜19歳 | 197人 | 110人 | +87人 |
| 20〜29歳 | 552人 | 621人 | −69人 |
| 30〜39歳 | 204人 | 253人 | −49人 |
| 40〜49歳 | 95人 | 134人 | −39人 |
10代でプラス87人、20代でマイナス69人。入ってきて、出ていっています。なぜそうなるのかは、人口ピラミッドを見るとすぐ分かりました。
20代前半だけ、男性が2倍近い
- 15〜19歳・男1,895人
- 20〜24歳・男3,047人
- 25〜29歳・男1,713人
- 20〜24歳・女1,751人
山形大学工学部が米沢キャンパスにあります。この山は、そのまま在学中の学生です。 25〜29歳では元の水準に戻っているので、卒業と同時に、山がそっくり消えていることになります。
この先の見通し
国の研究所が出している推計
2026年
72,721人
いま(住民基本台帳)
2035年
67,163人
高齢化率36.8%
2040年
62,506人
高齢化率39.6%
2050年
53,112人
高齢化率43.4%。2.3人に1人が65歳以上
学校をいくつにするか、公共施設をどれだけ残すか、除雪の体制をどう組むか。 議会で出てくる話の多くは、この推計を横に置いて議論されています。統合中学校の話も、もとをたどればここにつながっています。
この記事が見たもの出典 5 件。ここに書いた事実は、すべてこの資料から取っています
- 1.米沢市の統計 2024人口推移、高齢化率、出生・死亡・転入・転出。
- 2.総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」(2024年)年齢階級別の転入・転出。
- 3.総務省統計局 令和2年国勢調査5歳階級・男女別の人口。人口ピラミッドはここから。
- 4.国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」(令和5年12月推計)2035年以降の推計値。
- 5.山形大学工学部(米沢キャンパス)20代前半の山の理由。
リンク先は米沢市など、それぞれの発行元の公式ページです。 このノートの書き方に納得がいかないときほど、こちらを直接見てみてください。
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